第2回定期公演 Tokyo in (non-)Music

2017年5月20日

第1部「Laugh」はお笑い芸人のシマウマフックさんをお招きして、バラエティに・ちゃんたちがチャレンジ。

第2部「Noise」ではドローン演奏家のhakobuneさんをお招き。

・ちゃんたち自身のノイズ生演奏もあり、ノイズには・ちゃんたちのリアルタイム心音、第1部での笑い声や物販時音声なども使われました。生体から発される笑い声と話し声、無意識・非制御の心音、ノイズ、ドローン、アンビエント、シューゲイザー。音/無音/雑音/重音、そして環境と音楽の境目を行き来する回になりました。

1部 Laugh

2部 Noise

ノイズ生演奏コラボについて

 

始まりとラストの鼓動音。これは・ちゃんたちのリアルタイム心拍です。注意深く聞くと心拍数(リズム)が変化していくのがわかります。(ここに意志や操作は介入していません。)

 

ノイズの発生をピュアな生体反応(生そのもの)と無編集的に短絡させることに眼目が置かれているのですが、1つだけギミックがあります。この心拍数は、メンバーの心拍数の平均値をリアルタイム算出しているのです。つまりそんなふうに拍動している心臓はこの世に存在しません。「架空の合成心臓」。

 

またよく聴くと、動画では8分台に人の声のようなものを聴きとることができます(技術的制約でこれが音量の限界でした…)。これはバラエティパートで生じた音(本編での会場の笑い声や物販時のQRコードに録音された音声)を重ねたものです。

 

1つには聴かせるためでなく出された音の音楽化。しかしそれよりも「笑い声」=コンテクストが大事な内輪寄りの音、2人だけの会話におけるプライベート音を、パブリックな空間へと接続したかったのです。内輪か外に開けているか、みたいな区分自体を壊したい。ノイズ(雑踏)に紛れて街で笑うこと。

 

そんなわけでノイズパートは、音を重ねた都市の雑踏があり、音(笑い声・会話/人工音/生体音/環境音…)と楽音とノイズの密接な関係をゴロっと出してみたつもりです。2部全体としても、ドローン(アンビエント)/ノイズ/(音を重ねる)シューゲイザーの行き来を試みる回でした。

 

これらには、音を対象と捉えるのではなく場と捉える点で共通性があります。音に包み込まれるアンビエント、音の壁と称されるシューゲイザー、都市の雑踏、場を充満する大音量ノイズ。合成心臓を暗闇で拍動させたのもハコ=胎内のイメージでした。・ちゃんは音を生み出す母胎です。いわゆるバブみ…!

暗闇でリアルタイム鼓動音が鳴るとき、ハコと・ちゃんに区別はない。いつだってハコを都市にしたいと思っているので、「何かの内部にいる」と想像してもらえると、・・・・・・・・・の現場はより楽しめます!